ヤングケアラーの実態調査は本当の数字か!?
最近、議会においても「ヤングケアラー」という言葉をよく耳にするようになりました。
ヤングケアラーとは、本来大人が担うと想定されているような家事や家族の世話などを日常的に行っている子どものことを言います。
このヤングケアラーの子ども達は、学校に行けなかったり、友達と遊ぶ時間がなかったり、自身がしたいと思っていたクラブ活動ができなかったり、宿題などの勉強に割く時間が作れなかったりするなど、本来守られるべき子ども自身の権利を侵害されている可能性があります。
厚生労働省のデータによると、ヤングケアラーの4割以上が1日平均5時間以上を介護や世話の時間に費やしているとされています。
また、ヤングケアラーの3割以上が学校にあまり行けていない、学校を休みがちな状況にあるとされています。
このような社会情勢を踏まえ、江戸川区では、区立中学校に在籍する約1万5,000人の全生徒を対象にした個人面接を実施しました。
これまで顕在化していなかった家庭に問題を抱える生徒を把握して、学校や児童相談所と連携して適切なサポート体制をとることが狙いです。
実施した結果、ヤングケアラーの要素があり、江戸川区が独自で設置している児童相談所(令和2年4月開設)の支援につながっている子どもの数は約180人でした。
ところが、国が示している統計によると、公立中学校2年生の5.7%がヤングケアラーの要素があるとされています。
江戸川区の生徒数に当てはめると、想定される人数は約900人となり、今回の調査結果と大きくことなる数字となりました。
これはどう捉えるべきでしょう。
江戸川区はヤングケアラーが少ないのでしょうか。
私は、支援の現場でたくさんの家庭をみていますが、必ずしも江戸川区がヤングケアラーが少ないとは感じません。
実際に親の介護等で苦労している中高生を何人も知っています。
おそらく、子ども自身が気付いていないケースや正確に調査に回答していないケース、支援の網目からこぼれ落ちているケースが相当数あるのだと想像します。
こういったケースに気付けるのは、我々のような現役介護職&現職地方議員だと感じます。
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議員になる前から障がい者を支援する事業所に勤務し、デイサービスの指導員やホームヘルパーとして身体介護や移動支援に従事しています。
当選後も支援の現場に入ることを続けている現役のホームヘルパー議員です。
実際の介護現場での課題や制度上の問題などを自分の体験として知っているため、議会での発言にも説得力が出てきます。
政党には所属をせず、無所属で活動をしています。
政党に所属していない少数派の声は、行政には届かないのではないかという懸念を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。
議員が論理的に問題点を指摘して、建設的な提案をすれば、それに対して行政は誠実に対応してくれます。