ケアマネのシャドーワークを考える 山口だいすけ

山口だいすけ

シャドーワークについて賛否両論が叫ばれています。
たまに有識者と呼ばれる人が持論を語っていますが、正直上から目線の書き方に見えることが多くあまり琴線に触れることがありません。これでは受け止めようという気持ちになれない。もったいない、実にもったいない

Yahooニュースより

数日前にYahooニュースで、【「人生最後の願いをかなえます」 余命宣告受けた患者の心に寄り添い、女性ケアマネが奮闘】という記事が出ました。
とても素敵な取組が紹介されていました。すごいなと思うのと同じレベルで危機感も感じました。
それは全てのケアマネが同様のことを求められるのではないかということです。
なぜこんなことを感じたのか。
自分の体験を通して、少し紐解きたいと思います。

シャドーワークがしたくてケアマネになった(山口の場合)

まず最初に知ってほしいこと。

僕はシャドーワークをしたくてケアマネ事業所を開きました!

たまに山口は、シャドーワーク反対派と思われていますが、僕は大好きです。
むしろだれにも迷惑をかけず、自由にしたくて事業所作りました。

病院にもついていくし、本人には関係ない家族の相談にものるし、独居の方で家族の相談がうまく出来ていなかった方に対して、荼毘に付して収骨、家族の話し合いが解決するまで遺骨を1年ほど預かったりもしました。
全く苦痛ではありません。なぜなら「仕事の範囲の先にこそ福祉がある」が僕の合言葉だからです。24間の電話も対応するし、夜間緊急で話に行くためにお酒も家で飲むことを辞めました、車の運転ができないと駆け付けられないから。
なんならもっとそんな人の願いを解決するために議員だってやってます。

夫婦でやってる事業所だから出来るのかも知れません。
従業員を雇うと考えたら流石にできません。こんなの従業員に求めると完全なブラック事業所です。

だからこそ言えますが、

事業所のケアマネが良かれと思ってシャドーワークをすることは大反対です。

スタンドプレーは善行ではなく迷惑行為

だれか一人がこれくらいと思ってやると、本来業務の範囲外のサービスが業務の中に入ってきます。
すると同じ部署で働く他のケアマネさんは、同じことをやらなくてはいけないことになります。
本人が自分のできる範囲と思うのは自由ですが、その結果同僚に不要な負荷をかけることになります。

もっとまずいのは人事異動した時。

担当者が変わった場合、利用者さんはこう思うはずです。

前の人はお願いしたらしてくれたのに・・・

あなたの良かれと思った行動が、普通に仕事をしているだけの職員のイメージを低下させることになります。

施設相談員として管理職的なポジションにいましたが、こういったスタンドプレーをさせないよう注意しながら、必要と思うサービスを全員で共通するサービスにどう落とし込んでいくか。こんな働き方をしていました。
主任ケアマネに求められるのも、本来こんな仕事なんじゃないかな。管理職だし

あと勤務中に業務外のことをするのは立派な給料泥棒です。
まずは決められた仕事をして下さい。なんならもっと多くの利用者さんを担当して下さい。

ケアマネである前に従業員

有識者の方が、よくケアマネにはこういうことが求められると言いがちですが、勘違いしてはいけないのが、従業員として会社と契約した仕事をすることが大前提です。
その仕事をするためにはケアマネが必要、でもそれをどれだけ極大解釈しても、従業員であればまずは業務に専念することが求められます。

じゃあいいことは出来ないのかというと、そうではありません。

会社に相談して、全員で協議すればいいんです。
スタンドプレーではなく、全員の共有する業務にすればいいだけです。
これをやらずに善か悪かで話し合うことがそもそも、本質からぶれていることになります。

最終の責任を取れない従業員が出来ることは、多分こうやって話し合って、共通の課題にしていくことだです。

僕は自分が好きなことがしたくて、会社を作りました。だから好きなことをもいついたらやります。
その責任は全て僕が受けるからです。

どうしても自分がやりたいことを好きにしたいなら独立しましょう。

ケアマネジャーを美化しないで

法律に定められた一連の業務を最低限こなすことがケアマネに求められた業務です。個人差はあるかも知れませんが、まずはこの作業ができているのであれば問題ありません。

いろいろなことが出来るケアマネがいいケアマネでもあたりケアマネでもないです。
それはケアマネ資格保有者に求めたい内容ではあるけど、業務範囲ではありません


ここを大前提で知って下さい。

そのうえで、社内共通できたら強みにしよう

僕のように好きなことをやりたいから事業所を作る、もしくは事業所全体で取り組む共通事業に出来たら、しっかりとPRしていきましょう。

僕はこの様になった場合は、どこまでも取り組めばいいと考えています。
お客様にとっての選択肢にもなりますしね。

もちろんやらないことも大切です。いたずらに疲弊するのはやめないといけません。

注意するのは強要してはいけないってこと

これはお客さんが事業所に対してもというのもありますが、同時に安全圏の方が良かれと思って口を挟むときにも見られます。

理想的だと簡単に言うのは辞めましょう。
あくまでこれは自分たちがしたいからしていることです。
安全圏にいる方がこれを言いがちですが、正直理想論を語りたいなら自分たちが事業所を作って運営してくださいとしか言えません。
簡単に口にするのは、善意の強要という、福祉介護業界において最もひどいハラスメントだと僕は思ってます。

もう一つ言いたいことは、民間で無償奉仕でこういった作業をする限り、行政が事業化することはないということです。
民間がやっていることを奪うようなことは出来ません。

やるならしっかりと対価を取ってほしい。
それが出来ないなら、結果として地域の社会資源の創設を潰しているのと同じ行為です。
いわゆる自己満足はやめましょう

あなたの自己満足が地域の資源を作れなくします。
介護業界に携わるのであれば、そういった小さな範囲ではなく、社会全体を意識して取り組んでいってほしいと思っています。

そのためにはマネタイズを!
僕は現在は業務範囲以上のことはしないようにしました。
理由は、仕事を超えた先に手を伸ばす肩書を持ったからです。

僕は今そういった活動は議員活動として取り組んでいます。
その中で見えたことや、全体に必要と感じたことを行政サービスで提案するという形に切り替えました。

みなさんも、ぜひ政治的な視点を持って下さい

どうせなら眼の前の人だけでなく、社会も変えよう!

会員紹介
山口だいすけ
山口だいすけ
香川県-東かがわ市議会議員
子どもたちには笑顔を、若者には夢を、高齢者になっても安心安全を、すべての世代が笑顔になり、その笑顔の力でこの町を変える。
この言葉を胸に、2期目の市議会議員として活動を続けています。

また、同時にプレゼンの演出家及び志☆選挙プランナーとしても活動しています。
選挙に必要なマインドとノウハウ。
得意とする短期決戦、ワン・イシュー、空中戦とネット戦を仲間の皆様に伝えながら、全国の仲間を支えていきます。
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