デイサービス利用中の訪問理美容について

前田 れいこ

令和4年12月定例会一般質問は
「美容による市民の生活衛生」と題して


理美容の活用による介護予防、介護負担軽減
の可能性について質問をしました



もしもデイサービス利用中に訪問理美容サービスを受けられたら


今回の質問は大変に大きな反響をいただきました
実際に介護を経験した家族
現在も介護をしながら家族介護をしている人



デイサービス利用中に理美容サービスが受けられて
さらに市の訪問理美容サービス助成金が使えたら
介護をする家族にとって負担軽減になる



朝、デイサービスに「いってらっしゃい。」と送り出して
夕方、髪の毛が綺麗になって帰ってきたらどんなにいいか・・・




現役ケアマネだから気づいた視点

みなさんのお住まいの所では
訪問理美容サービスの助成はどのようになっていますか?



岡崎市では要介護4、5の非課税の方が対象となっています
年間12000円の助成があります
ただし訪問理容のみで美容は使えません



長年このことを当たり前だと思っていました



しかし利用者家族との会話で





「ん?これおかしくないか?」と思ったわけです

利用者家族

自宅でね、私が髪の毛を切ってるんだけど(要介護4、認知症、女性)
部屋の中で新聞紙を広げてね、下着にさせてね
切った後、少しでも髪の毛が残るとお布団に付くでしょ?
チクチクしてかわいそうだから、その後お風呂入れるのよね

もうね、毎日の介護に加えて、これをやるとクタクタなんだよね。

うちは訪問理容は対象外だし
かといって、おばあちゃんに床屋さんっているのも抵抗あるのよ・・・

それに、訪問理容さんを予約したら、その日は仕事休まなきゃいけないもんね

本市の状況と、他市の状況を調べてみた

岡崎では長年それが当たり前だと思っていた
要介護4、5で非課税の方のみ対象



岡崎市のデータでは、要介護4と5の在宅介護サービスの方は
合計で5281人です



しかし、実績として要介護4、5の方で訪問理容サービスを受けた方は
1年で延べ68人でした

県内同規模他市の状況

T市・・・1回あたり1000円で最大6枚の利用券交付、延べ人数52人
I市・・・1回あたり2850円で最大6枚の利用券交付、延べ人数664人
K市・・・1回上限4000円で最大6枚の利用券交付、延べ人数3706人
TY市・・・実施していない

長年当たり前だと思っていた訪問利用サービス
しかし、一般質問に先立ち調べてみるとこんなに差があるのです



在宅サービスは市によってどこに比重を置くかはそれぞれなので
一概に比べてはいけませんが


しかし、K市をより詳しく調べると
要介護3、4、5が対象で、所得制限はなし
訪問理容、訪問美容がつかえ
さらに申請方式ではく、2ヶ月に1回該当者に市が自動送付
自宅だけでなく、お店でも利用できるのだとか!





話を岡崎市に戻して・・・
要介護4、5の方が5281人
そのうち訪問理容使う人が68人



在宅介護はただでさえ大変です
日々の介護に加えて髪の毛を切って、お風呂に入れる




だから前出の利用者家族はいいました
「デイサービスで髪の毛きってくれないかな?」






デイサービス利用中の訪問美容はデイサービスが損する仕組み

介護保険法の解釈では
デイサービス利用中に訪問理美容を受けることは許しています


しかし、その時間はデイサービスの算定から抜かなくてはいけません
つまりこういうことです


要介護5の方が9時30分から16時40分までデイサービスを利用すると
デイサービスに入る単位は1142(7時間以上8時間未満)
岡崎市の地域加算10.27を乗じると デイサービスの収入は11728円

しかし、途中で訪問美容が入ると
一つ下のカテゴリーになり、単位は1003(6時間以上7時間未満)
地域加算を乗じると、デイサービスの収入は10300円

つまり

11728円 ー 10300円 = 1428円 (一人)


つまり、デイサービスで訪問美容を使うと
デイサービスに入る収入が減ってしまうのです




介護経験がある
議員先生

えーーー?
なんで?それおかしいじゃんね。
なんで、デイサービスが泣かなきゃいけないの?

俺も昔お袋の髪の毛を切ってさ
お風呂入れてやったよ

本当に大変だよね

別の介護中の
ある議員先生

前田さん!
お袋を美容院に連れて行くのいつも本当に大変なんだよ。

これ、なんとかならんかなぁ。



詳しくは岡崎市議会の動画をご覧ください


https://smart.discussvision.net/smart/tenant/okazaki/WebView/rd/schedule.html?year=2022&council_id=70&schedule_id=2

介護の現場や制度を知っているケアマネジャーならではの視点
介護をより良くしていくためにこれからも頑張ります

団体紹介
政治と介護を紡ぐ会
政治と介護を紡ぐ会
超党派でつくる介護の未来を変える政策集団
2021年10月30日に5人に現役介護職議員が集まり「介護職よ、地方議員を目指せ!」を発刊。
執筆の様子などが新聞で取り上げられ、全国から同じ経験を持つ議員が集まり現場の声を届ける組織づくりを目指すことになる。
翌2022年4月22日に東京で設立イベントを開催し「政治と介護を紡ぐ会」が発足する。
現在全国の現場の声を聞きつつ、政治家志望者の発掘支援を行う。
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