職員がほとんどやめない老人ホーム
●経営者のための職員待遇改善、職員のための経営改善、特別養護老人ホーム・ウェルフェアリビング
先日、横浜市泉区にある特別養護老人ホーム・ウェルフェアリビングさんに行ってきました。ここは、「親しみのもてる敬語」「丁寧な対応」を必ず叶えなければいけない法人理念として掲げ、それを実現するために「日本一の職員待遇」に挑戦しています。
開所して12年、介護業界ではありえないような低離職率、全職員有給休暇取得率100%、介護正職員平均年収450万円以上はどのように実現されたのか?それでもなお「今のままではダメ、更なる待遇改善を実現したい」と施設管理者は力を込めます。
既述の給与改善や有給取得率の他にも、「勤続3年毎にリフレッシュ休暇と20万円の旅行券支給」「希望休がない人に支給させる手当」等、通常の介護施設では例がないような待遇改善もなされました。
●独自の業務分担ソフトウェア開発
待遇改善はお金だけではいけません。介護業界は給料が安いとよく言われますが、一番の問題は「不平等」であると施設管理者は言います。
介護業界の最大の問題点は、「誰がどれだけ仕事をしたか」という管理者が絶対に知らなければいけない情報を持つための手段がないことなのです。それによって「業務量の不平等」「評価の不平等」など人間関係を含めた様々な問題を引き起こし、法人への信頼が失われていきます。
それを解決するために、「誰にどんな仕事をお願いしたか」、「誰がどれだけの仕事をこなしたか」等、業務を可視化するためのソフトウェアを施設独自に開発しました。
●自分と立場の違う人の気持ちになること
業務が可視化されると、その空いた時間を利用して「出来るだけ多くの仕事をさせよう」と考えるのが管理者としては普通のことです。しかし、ソフトウェアをそのように利用したのでは職員の信頼は得られません。
「適切な業務量」というものがあるはずです。業務効率化によって、職員の待遇改善や経営改善は行わなければいけない一方で、業務効率化の名のもとに職員を疲弊させてはいけません。何事もバランスが大切なのです。「三方よし」という、売り手によし、買い手によし、世間によしという意味の言葉は有名ですが、介護業界は「入居者様によし、職員によし、経営によし」の三方よしでなければなりません。
今後、介護業界がより厳しい時代を迎える中、経営者と職員は対立するのでなく、協力し進んでいかねばなりませんが、この施設はまさにそのモデルケースであると感じます。