介護周辺業務はシルバーパワーを活用すべき ~三重県の介護助手導入支援について~
2040年の高齢者数がピークに達する時代に備え、現役世代が高齢者を支える今までの社会構造では、立ちいかなくなることは明白です。やはり、「元気高齢者が虚弱高齢者を支える社会」なくして、今後の未来はありません。
また、内閣府の調査によれば、「働き続けたい」と考える高齢者が多数存在し、70-74歳では実に4割もの人たちが就労を希望しています。私としては、この「シルバーパワーを介護分野に活かしてもらいたい」と強く考えています。その意味で、この分野では、三重県が積極的な動きを見せており、厚生労働省のモデル事業にも指定されています。
「介護助手事業」と銘打って、介護職員が身体介護等の本来業務に集中できるように、元気高齢者がそれ以外の業務、いわば周辺業務を担います。そして、介護職員が本来業務に集中することで、よりきめ細かな介護を目指しています。さらに、周辺業務の負担がなくなることで、離職防止に繋げることを目指しています。
一方で、就労する高齢者にとっては、収入機会の確保のみならず、自身の介護予防にもなります。また、生きがいの創出や社会の一員としての参加意識の醸成を目指しています。
この事業の具体的な手法としては、「何が本来業務で、何が周辺業務なのか」について、職員自らがまずは仕分けをします。そして、介護助手に求めるスキルや勤務形態等の具体的イメージを作ります。その後、行政が介護施設と高齢者とをマッチングをし、さらに事後、効果を振り返っていきます。そして、その後もよければ継続していくというイメージです。
実際にうまく機能したケースでは、対象範囲は「元気高齢者」に限り、それ以上は欲張らずに事業を進め、身体介護や認知症ケア等の難しい介護はさせていないようです。また、無理をさせないことを重視し、1日3時間の週3日程度の労働にしていたところが多いようです。
その結果、8割以上の介護職が「業務量が軽減した」とアンケートに答えており、半数程度が「仕事への気持ちのゆとりができた」、「きめ細かなケアができた」とも回答しています。
介護助手事業に参加した施設の平均離職率は、参加前が12%程度であったものが、5%程度にまで低下したという結果も出ました。この三重県の取組は、介護職の業務仕分けをしっかり行うことにより、他地域でも十分応用可能だと思います。ご参考になれば幸いです。
政治と介護を紡ぐ会会長の添田です。
私はヘルパーとして約10年、現場で働いていました。
その中で、介護保険制度が不備で、現場が報われないことを実感し、自らが政治家になり制度を変えることを決意し、現在に至ります。
政治家になり、介護の在り方で社会が変わることに気づきました。
足りないものは、社会を共に変えていく仲間です。
共に活動し、国に、行政に、訴えてまいりましょう!